WindowsPE起動環境の構築
「Windows消去プログラム」(gppro4.exe)を、WindowsPE環境で使用するためには、お客様ご自身で、WindowsPE環境を構築していただく必要があります。
以下、2023年8月現在での、最新バージョン(10.0.226.21.1)での手順となります。 他バージョンでは、手順が若干異なる場合があります。
WindowsPEの注意点
WindowsPEはMicrosoftから無償で提供されているWindowsと互換性の高いOSですが、ディスク消去を含む、一時利用のためのものです。
そのため、継続使用が72時間を超えると、自動的に停止する仕様となっています。
大きなサイズのディスクの消去の際はご注意ください。 詳しくはMicrosoftのサイトをご覧ください。
WindowsPE環境のダウンロード/インストール
ダウンロード
Microsoftのサイトより、「Windows ADK for WindowsXX」と、「WinPEアドオン」をダウンロード。
ADK, WinPE Add-onのインストール
「Windows ADK」インストールの際のオプションとしては、「[展開ツール] (Deployment tool)機能」の指定が必要です。
※他のオプションはすべてOFFでも、今回の用途のみであれば、機能します。 「Windows
ADK」インストール後、「WinPEアドオン」をインストールします。
基本となるWinPEイメージの作成
「展開およびイメージングツール」の起動
スタートメニューより、[Windows Kits]->[展開およびイメージングツール」を「管理者として実行」します。
WinPEイメージの作成
[展開およびイメージングツール」コマンドプロンプトで、以下を実行。
WindowsPE実行に必要なファイルが、指定フォルダ以下に、実行時の構成で作成されます。
copype amd64
C:\WinPE_amd64
|
amd64 : 64bit環境の構築指定。Windows11相当のWindowsPEでは,64bit環境のみ提供されます。
※以前のバージョンで32bit環境で構築する場合は、"x86"となります。
"C:\WinPE_amd64" :
作成するフォルダ名。任意のフォルダ指定が可能。 ※以下の説明では、このフォルダ名を使用。
WinPEイメージの設定、プログラムの組み込み
「展開およびイメージングツール」の起動
スタートメニューより、[Windows Kits]->[展開およびイメージングツール」を「管理者として実行」します。
WinPE起動ディスクイメージファイルのマウント
コマンドプロンプトで、以下を実行。
マウントすることで、起動ディスクイメージファイル[boot.wim]の内容が、[mount]フォルダ以下でアクセスできようになります。
Dism
/Mount-Image /ImageFile:"C:\WinPE_amd64\media\sources\boot.wim"
/index:1 /MountDir:"C:\WinPE_amd64\mount"
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必要パッケージ、ドライバの追加
コマンドプロンプトで、以下を実行。 日本語環境、"gppro4.exe"実行のために必要なパッケージを追加します。
※標準状態で、一般的なデスクトップ、ノートPCのディスクドライバ,ネットワークドライバ含まれていますが、サーバー系など、ドライバ追加が必要な場合、ここで組み込みます。
必要なパッケージ ・JA language-pack (lp.cab) ・Font Support-JA
(WinPE-FontSupport-JA-JP.cab) ・WMI (共通及びJA) WinPE-WMI.cab,
WinPE-WMI_ja-jp.cab
Dism
/image:C:\winPE_amd64\mount /add-package /packagepath:"C:\Program
Files (x86)\Windows Kits\10\Assessment and Deployment Kit\Windows
Preinstallation Environment\amd64\WinPE_OCs\ja_jp\lp.cab"
Dism /image:C:\winPE_amd64\mount
/add-package /packagepath:"C:\Program Files (x86)\Windows
Kits\10\Assessment and Deployment Kit\Windows Preinstallation
Environment\amd64\WinPE_OCs\WinPE-FontSupport-JA-JP.cab"
Dism /image:C:\winPE_amd64\mount
/add-package /packagepath:"C:\Program Files (x86)\Windows
Kits\10\Assessment and Deployment Kit\Windows Preinstallation
Environment\amd64\WinPE_OCs\WinPE-WMI.cab"
Dism /image:C:\winPE_amd64\mount
/add-package /packagepath:"C:\Program Files (x86)\Windows
Kits\10\Assessment and Deployment Kit\Windows Preinstallation
Environment\amd64\WinPE_OCs\ja_jp\WinPE-WMI_ja-jp.cab"
|
ドライバの追加(必要な場合)
Dism /Add-Driver
/Image:"C:\WinPE_amd64\mount" /Driver:"C:\SampleDriver\driver.inf"
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"C:\SampleDriver\driver.inf"部分には、必要なドライバファイル(*.inf)を指定します。
タイムゾーン、キーボードの設定
コマンドプロンプトで、以下を実行。 日本環境における、タイムゾーン、キーボード(106キーボード)の指定を行います。
Dism
/image:C:\winPE_amd64\mount /Set-Allintl:ja-jp
Dism /image:C:\winPE_amd64\mount
/Set-Layereddriver:6
Dism
/image:C:\winPE_amd64J\mount /Set-Timezone:"Tokyo Standard Time"
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"gppro4.exe"の組み込み
起動ディスクイメージファイル[boot.wim]がマウントされた状態で、
"C:\WinPE_amd64\mount\program
files"
に、以下をコピーする。(通常のWindowsエクスプローラでコピー)
gppro4.exe ・・・「Windows消去プログラム」。ただし、64bit WindosPEでは、必ず64bit版"gppro4.exe"を使用。
config.gp4 ・・・「起動環境作成ツール」「WindowsPE実行時設定ファイル」で作成した設定ファイル。(使用する場合のみ)
プログラム("gppro4.exe")の自動実行の設定
起動ディスクイメージファイル[boot.wim]がマウントされた状態で、
"C:\WinPE_amd64\mount\Windows\System32"
フォルダ内に、"Winpeshl.ini"というテキストファイルを作成し、ファイルの内部に以下を記述します。 ※ファイル名の最後に".txt"等が付かないようご注意ください。
[LaunchApps] startnet.cmd "%systemdrive%\Program Files\gppro4.exe" wpeutil
shutdown |
WinPE起動ディスクイメージファイルのアンマウント(マウント解除)
コマンドプロンプトで、以下を実行。
起動ディスクイメージファイル[boot.wim]の内容を変更した場合、必ずアンマウントの処理を行い、起動ディスクイメージファイルをクローズします。
アンマウントの前に、"mount"以下のフォルダを、他のプログラムがアクセスしていないことをご確認ください。エクスプローラで開いているのも不可です。
Dism
/unmount-image /mountdir:C:\WinPE_amd64\mount /commit
|
どうしてもアンマウント時エラーとなる場合、以下を実行してください。その場合、再度マウントを行い、設定内容を確認してください。 Dism
/unmount-image /mountdir:C:\WinPE_amd64\mount /discard
起動可能CDイメージファイルの作成、USBメモリの設定
「展開およびイメージングツール」の起動
スタートメニューより、[Windows Kits]->[展開およびイメージングツール」を「管理者として実行」します。 ※起動ディスクイメージファイル[boot.wim]は、アンマウント(マウント解除)されている状態で、以下を実行してください。
WinPE起動ディスクイメージファイルの作成
コマンドプロンプトで、以下を実行。
MakeWinPEMedia
/ISO C:\WinPE_amd64 "C:\anyfolder\WinPE_amd64.iso"
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ここで"c:\anyfolder\WinPE_amd64.iso"部分は、出力されるCDイメージファイル名です。任意のファイルを指定してください。
作成されたisoファイルより、CD-Rを作成して使用します。 「イメージファイルからCDの作成」参照。
WinPE起動USBメモリの設定
コマンドプロンプトで、以下を実行。
MakeWinPEMedia
/UFD C:\WinPE_amd64 X:
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ここで"X:"部分は、出力されるUSBメモリのドライブ名を指定してください。
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